―― 回想・文化祭前 ――
[撮影機材はどうするのか、とか。どこで撮影するのか、とか。
映画撮影をするにはやることが山積みで、
受験生なのにこんなことをしていていいのか、
なんてことが頭を掠めた。
けれど、考えるより先に動かなくちゃ間に合わない。
山積みの仕事に文化祭委員だけでは手が回らず、
クラス委員も大いに働いた。
どの日にどのシーンを撮るかのスケジュール調整とか、
必要な小道具の買出しだとか、
さらに自作のパンフレットの作成と頒布。
視聴覚室を借りたほうが映像と音は良いけれど、
文化祭当日にクラスを空にしないために、
映画を作る過程の展示をするには、手が足りなさ過ぎた。
クラスでの上映にしたから、当日の暗幕とスクリーン、
プロジェクターの貸し出し申請も必要で。
みんなそれぞれ自主的に意欲的に働いたけれど、
葛城さんの負担が大きいのが心配だった。]
(330) 2015/07/06(Mon) 00時頃