[なんだろう、なんていう呟きが聞こえれば>>216、その呟きが出たメアリーの思考回路を知らないサイラスは首を傾げてしまう。
けれど、その呟きの意味を問おうとはしない。
それから間もなくスティーブンの声>>209を耳にして、男は壁に預けていた背中を離した。
忠犬のような仕種は、更に医師からの揶揄を貰えそうなものだが、都合のいいことにこちらの反応は見られることはない。
診察室の扉が閉まる音>>218を耳にしたのと同時に、メアリーが男の待つ姫へと抱きついていく>>270]
相変わらずだなぁ。
[独り言と苦笑は、気遣いのないメアリーのハグを黙認しているしるし。
こうして笑い合える友人がいることは、マーゴにとっても、そうしてメアリーにとってもいいことだろう。
そんな思いから、マーゴの目が見えないことへの配慮の薄いスキンシップをたしなめる言葉は、男の口から徐々に減っていった。
もっとも、今でもほんの少しだけ出てしまうから、完全な黙認というわけではないのだけど]
(330) 2015/05/10(Sun) 21時半頃