─ 診療所、待合室 ─
[マーゴと別れる前、スティーブンから飛んできた揶揄>>127には、肩を竦ませ鼻を鳴らすだけに留めた。
一瞥も向けてこない相手の挨拶代わりの揶揄、そう理解しながらもほんの少しだけ癪だったから。]
う、わ……!
メアリーか。──驚かすなよ。
[マーゴの傍らにいると、否応にも思い出してしまう過去。
そのせいでつい洩れた呟きを拾われているなんて思いもしなかった男は、足元のほうから聞こえてきた声>>203にビクリと背を反応させ、そうして巣の中のひな鳥みたいな少女に、小さく苦笑を返した]
ああ、多分もうそろそろ出てくるんじゃないか。
メアリーがいるほうが、マーゴも喜ぶだろ。
一緒に待つのを断る理由、どこにもねぇよ。
[跳ねるように……いや、ひな鳥なら飛び回るようにだろうか。
立ち上がり周りをぴょんと飛び回り、やがてメアリーは少し離れた椅子へと腰かけた。
しなやかな足をぷらぷらと動かしての問いには、歓迎の意を笑顔に乗せて答えた。
一番最初の問いは、既にメアリーはどうでも良さそうにしていたと、そう都合よく判断して答えないことにして]
(329) 2015/05/10(Sun) 21時半頃