[『スイート・スチュワード』の人間が師匠を指名して靴磨きに来たこともあった。
初めて聞いた名前だが、師匠曰く高級サーヴィスを提供しているウンタラカンタラ…。
非公式靴磨きアドバイザーっていうのがエライのかどうかは知らないが、見るからに上品な老齢の男性は、心地良さそうな満足げな顔で、磨き終わった靴を検分していた。]
ンー… あれ?
どっかで会ったけ アンタ…
[マーケットで幼子を連れていた尻財布老人に似ている気もするが記憶は怪しい。]
そのうち さ。 オレにも磨かせてくれよ。
アンタからOK貰えたら 免許皆伝なンだってさ。
[嘗ては人の尻ポケットから盗みを働いて居た指先を、靴墨で汚しながら。
今は師匠の手付きから技を盗み見する修行の身だけれど。
いつか──… と。]
(327) lunaway 2019/08/12(Mon) 16時半頃