[数千種以上の毒薬を自作してきた内、最も強力な毒薬をカラーズと名付けている。
今の手持ちにあるのはそのうちの赤と白。]
あっちは強力だけれど、あんなのとキスするのなんてゴメンだし…。
[そちらも効果無しの可能性の方が高い。
もう一度だけ鉄扇《ガルバレク》に視線をやった。
扇《コルトレーン》の気配はやはりしない…。]
……いっか…どうせ僕の半身《セカイ》はとっくに……。
[認めたくない。
認めればそれが真実になってしまうのだから。
だから認めたくない…でも、もし認めてしまうのならば…
生きる意味も価値も、僕には残っていない。
だから…異形が振り上げた腕を、その先の漆黒の爪を見詰めて、静かに目を閉じた。
あとは、その爪が腹部を貫き引き裂いてくれる痛みを待つだけ。
きっとそれが運命で、正しい歴史なの*だろうから*]
(327) 2013/05/24(Fri) 16時半頃