― 保健室 ― 渡瀬悠仁 >>318
[ラディスラヴァは、結局、河童が起きるまで、浅く短くしか眠れなかった。起きたら四の五の言わずにはりたおさなければならない契約なのに、ぐうぐう眠ってしまうわけにはいかなかった。河童が起きるのに気づかなければならない。
まず、渡瀬悠仁が起きる気配があったら「渡瀬くん」と声をかけて、カーテンをあける。
そしてベッドにすまなそうに腰かけて、もじもじとお願いをするのだ。「痛くしないと思うから、少し目をつぶっていて」と。
目をつぶってもらってから、ヘナチョコパンチを見舞う。
(遠慮に遠慮を重ねたヘナチョコパンチで晴谷岬が納得かどうかはしらない)
そしてそのあと、河童に「あなたを連れてきたひとに殴れっていわれたから殴らなければならなかった」と説明もいれてしまうだろう。弁解用に。
渡瀬悠仁が起きたら、そういうことになる予定だ。]
(326) 2017/02/07(Tue) 03時半頃