[…Euklasis――それは"千変萬別の可能性"《ミリオルネ・ポッスィヴィリティ》
世界で最も、脆く儚いが故に、何者にも成れる、美しき魂の血族。
産まれ堕ちし者達は、光《ツァル》にも闇《セラ》にも。
希望にも絶望にも成り得る、泡沫の様遷ろう夢幻-∞-の運命が待ち受けていた。
そう。嘗てセラの神託を受けし兄は、黒き王を寿ぐセラの詠い手に。
そして嘗て七つ光の創造者に焦がれし妹は、光の創者奮いし天陽の虹に。
愛を以ちて"I"を奉げし萬別の双子。
数世祈、数十世祈と時を経て、その心《アイ》を凍て付かせて尚、道別つ双子は共鳴(よび)あう事が出来ていた。
だが然し、その共鳴(こえ)が途絶えた今は、もう――…
凍て付く仮面の中で力無く頭を揺る、セラの遣い手。
それは嘗て、ロベルト・ユークラシスと呼ばれていた、青き瞳の魂]
(325) 2013/05/26(Sun) 20時頃