[えらい目にあった。
一方的に閉じられたドアに、へーい、と気のない返事をして首をさする。>>175
寝違えたようにずきずきと、地味に痛い。]
……ちょっと大人しいと思えば、これだよ。
[大きな足音が聞こえなくなるのを待ってから。
不可抗力とは言え、触れていた掌に視線を落とし、落ち着けるように深く深く。息を吸って、吐き出す。
そんな急いで逃げなくたっていいじゃないかという勿体ない気持ちと。
逃げてくれてよかったと思う気持ちが、ごちゃごちゃと腹の底でいがみ合っていてどうにも収まりが悪い。
深呼吸して腹の筋肉が動いたのか、ぐぅ、と今度は虫が鳴った。]
それでも腹は減るってか。
[ついてくるなと言われなかったよな。
いつも傍に置いているカメラ用のメッセンジャーバックだけ手に取って。
一足遅れて部屋を出れば、きっちり鍵をかけた。]*
(324) 2015/11/24(Tue) 23時半頃