[扨、もう2月3月ばかり時期が速かったなら幸運にも巡り会えたのかもしれないが。
地図と道を交互に見遣りつ西へと歩み行けば、長椅子に座る姿に歩みが緩やかになり止まる。
良いも悪いもなくくっ付く影法師よりはずっと、存在を浮き彫りにする木の音を聞きながら。>>289
然し、それが余りにも平穏なもので、あの阿鼻叫喚の前には騒々しくしていたあれらよりずっと和やかだったからこそ。
「死神ってのは案外親切…?」と思い始めなどしていたのだ。]
死神って名の割に親切だったり、
生き返る可能性を出すなんぞは、まあ、
…確かにひと染みている、よな、
[言葉と行動の不一致やらは、確かに人間以上にひとらしいのかもしれない。
尤も、こんな環境下で人間らしい事が、そもそも人間らしくないのやもしれないが。
所詮短い華の命、それを摘み取って面白半分に延ばそうなどと口にする意地の悪い観察とは感じられないのもまた、一因であった。]
(320) 2017/06/12(Mon) 16時半頃