君が何者か……。
今は少し、話す興が殺がれたかな。
[怪訝な表情を、本人たる暗闇の姫君は浮かべているが>>314。
余りその話を彼女に聞かせたがらない旅装の男に、責任を押し付ける様な視線を向けたが、然し次の言葉に、仮面が弾かれた様に彼女を直視した]
幻夢凶月《ファントム・ルナティック》を――探していた?
どういう事だ。
"アレ"はあの時、セブナリタとパルクールに拠る五重封印を掛けられ。
創世空間《アルカスペース》に安置されていた筈なのだが……。
[仮面を通した、少年にしては深い、成人男性の声で、遣い手はぶつぶつと独り言の様に言葉を呟きだした。
幻夢凶月、闇の秘宝にして大崩壊に用いられた剣は、大罪を帯びし恋人達の生命を以って崩壊を引き起こした後、再創造の際に封印を受けていたが。今現在の、実際の所の所在は確認していない]
(319) 2013/05/22(Wed) 17時半頃