[まさか従兄弟も疾走していた>>279>>280とは知らず、繭身は夢中で猿を追っていた。
山から来たのだろうか、それとも海から来たのだろうか。だって海から猿の映画がヒットしたこともあったのだろう?え?それは違う?微妙に古い話はするなって?
白パン時代をかつて過ごした先輩たちが遭遇してることにも気づかずに、とにかく猿を追いかけ回したが、悲しきかな四足歩行と二足歩行の差よ。
するりと電柱に登られてしまえば、さすがに足取り軽くとはいかない。
腕時計にワイヤーでもしこんでいれば、はたまた立体機動装置でも腰につけていたなら、見事追いつくことは出来たかもしれないが……。
そんなものは何処に売っているんだろう。
案外、ルーカスは持ってるかもしれないが。
仕方が無いのでスカートのポケットから発信機を取り出して、スリングショットで猿の背めがけて打ち込んだ。山ごもりで体得した技術である。]
猿よ、僕は諦めない!
(319) 2013/12/05(Thu) 23時頃