―丘―
[ストレートに食いついてくるシーシャ>>304。
古老たちを放置して振り返れば、その射抜くような視線と男の視線がぶつかり合った。
この男に対して彼が、こんなにまっすぐ視線を合わせてきたことなどあっただろうか。
こんな状況だというのに、何やらおかしくなってしまって、男は小さく笑う。]
流石にまだ、自分が何言ってんのか分からなくなるほどには、耄碌してねぇぜ?
[食らいつくシーシャとは対照的に、男は余裕たっぷりの様子で彼を見下ろしていた。]
サイモンを殺したのは俺だってか?
んーまぁ、聞いた限りじゃ首なし死体だって言うしな。
ありゃ人狼の仕業かわかんねぇしなぁ。
[サイモンの殺害に話が触れると、古老たちが声を上げる。
しかし男はそれを無視して話をつなげた。]
俺がサイモンを殺したなんて話は、あの野郎が一番、腹抱えて笑うだろうよ。
[そう、呟いた男の表情に、ほんの一瞬だけ、陰りが生まれる。
シーシャが知っていたかどうかは分からないが、サイモンは、男にとっては五指に入る程度の仲の良い相手だったのである。
最も、そんなことはことここに至っては関係ないだろうが。]
(318) 2013/09/06(Fri) 23時半頃