[俺の言い方に不快な思いをさせてしまわないかと危惧するも、暗い森の中で聞こえる貴方の声には、恐れていたような雰囲気は滲んでいない。
その事には安堵するも、隣で身体を縮こめる貴方の姿を見れば湧き出て来るのは小さな疑問で――まぁそれも、更に近づいた距離があっさりと解消してくれたけれど。
断った方が良いのだと、そんな意見が頭に浮かぶ。
だって今ここで貴方とそんなにも近い距離で触れ合って、俺は平気でいられるのか。いつも通りに貴方と話す事が出来るのか――ともすれば、気持ちが透けてはしまわないかと。
……自信は、正直な所全く無かった。
だが、暗い所が苦手だという貴方がこうして腕を取って来たのだ。何だか頼られているようで、悪い気はしない……いいや、不謹慎だと分かっているが良い気しか、しない。
あぁ、しかし。気が乗るとついつい羽目を外してしまうのは、本当に悪い癖だ。
ご迷惑を、と本日何度目かの謝罪>>234を聞きつつ、謝るのは此方の方だとこの邪な気持ちを胸の中だけで詫びながら。
意図せず口調を柔らかいものにして、握った指は次の瞬間後悔しそうになってしまうも、そこで止められるなら最初からそんな事はしていない。]
(318) 2015/11/24(Tue) 23時半頃