185 虹彩異色の死


【人】 革命家 モンド

[ ふと、隅の棚が目に止まった。
 見覚えがある。そう……これはモンドが頼まれて作ったものだっけ。
 触ってみれば、扱いが悪かったのか、少し表面の塗装が剥げている。
 モンドは職人の顔になって、眉間にシワを寄せた。 ]

[ だが、建てつけの方は順調だ。
 引き出しはスムーズに動くし、扉は音を立てずに開く。
 この下の棚>>215を開けば……、 ]

[ モンドはハッとした。
 奥の分かり難い位置に、見覚えのあるエールのラベルがちらりと見えた。ごくりと喉が鳴る。
 職人の顔はたちまち消えた。 ]

[ さっと左右を確認する。
 今は駄目だ、人目がある……。
 モンドは、何にも気付かなかった様子を装って、棚を閉めた。 ]

(318) 2016/03/04(Fri) 01時半頃

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