― ?・ヨーランダの部屋 ―[呼び鈴が鳴れば青年はノックと共にヨーランダの部屋の扉を開ける。その途端、鼻先掠める血の臭いに顔を顰めながら、室内にいるヨーランダとアイリスをさっと観察だけしてから一礼をする。]かしこまりました。[室内にいる二人に怪我はなさそうだ、なら誰がと思うも口には出さず。床に散らかった花たちを拾い上げれば、薔薇の棘が、手袋越しにちくりと刺さった。][二人がそのまま出て行くなら、ただ見送るだけ。勿論、アイリスに送られるのは侮蔑の視線だが。]
(313) 2012/12/10(Mon) 21時半頃