でも、時折夢見がちな話をしていた。
戦が終わったら、音楽家になりたい、なんてな。
でも、なんていう名前だろう?楽器が得意で、よく聴かせてくれていたよ。
[楽器を持って弾く振りをしてみせるが、伝わったかどうか。
それがバイオリンの祖と言われるものであるとか男は知りはしない。あいにく歌は上手くなかった、とは、その人の名誉のために黙っておこう。楽しげに、その人の話を続ける。帽子をもらったきっかけを聴かれれば。]
…さて、なぜだろう?たまにはおめかしするがいい、と押しつけられたんだが、もしかしたら、自分用に買って合わなかったのかもしれないな。[どんな想いがこめられているのかは朴念仁にはわからない。]
でも、音楽の好きな人からもらった帽子だから、賑やかな音が聞こえそうなものだがな。[帽子はショコラの手の中か。]
きっと、歌を聴くのは好きなはずだよ。[だからもっと歌おう、と言いながら、ごろりと横になる*]
(313) 2015/12/16(Wed) 23時頃