[>>297なにやらとても優秀な生徒がいるらしい。
その子ならもしかしたら、感染しても治療できるのではないかと思いつつも頷いておいた。
空いてしまった間を埋めるような話題の転換に、詰めていた息を吐いた。
すまなそうに、もしくは、なんだったのだろう、袂に浮かんだ感情を
瞳孔の奥に映しながら、視線を下げた。
ヤチグサ車、彼の中では呼称はそれに決まった教員の車、それに関する説明を聞きながら。
そういえばこの教員がなぜ、車いすなのか知らないなと思いいたる。
授業中に好奇心に負けた生徒が尋ねたことはあったのだろうか、あったとしても自身はいたずら書きに夢中で聞いていなかっただろう。]
タフな車ならら、怪物にも勝てそ。
ていうか、センセイなら怪物にも勝てそー。腕むきむきだし。
[そんな言葉を返して、時間ぎりぎりまで駐車場にいただろうか。
寄ってくる影が怪物のものだったなら、視覚による認識はされていないと知っていても、車の陰に隠れてだろう。けれど出回る怪物の数が少なく思えた。どこかで鳴るアラームのおかげだとは、彼はきっと気付くことはないだろう。]
(308) 2011/12/04(Sun) 03時半頃