[仕事で使うこともある>>232酒場はやはり営業はしている様子だが、飲むなら兎も角として名目上でも食事をする場としては、今宵は避けても良いだろうと。…思い出す時、飲まない癖して時折一人でも顔を出し、酒場の女性を口説くでもなく菓子を齧って──態度だけはなぜか大きく、無遠慮に──居合わせた客や店員から馴れ馴れしく近辺の噂話など聞いて帰る妙な客であるのは違う話。
幾つか、通り過ぎた屋台の先、示された酒場に空いた手で少し顎下を掻く。…素直に、このような状況下でなかろうと己の舌に満足できるとは言えない店だ。万一を思うと、店主の身元が堅かった事は薄ら覚えている点では問題もなさそうなのだが]
…俺ァデザートで良いぜ。やっぱりな。
[特に肉料理が酷かった。そんな事は確り記憶しているものだ。相手に選択肢を示したのは自分、首竦めて息を漏らしながらも、腰から漸く離した腕で──ナユタがマスターに笑んだのと共に臀部を雑に擦らせた。無論、これもまた嫌がらせであり、少々引き攣ったマスターの顔を見れば必要以上の邪魔は入らないであろうと]
(308) 2013/07/22(Mon) 14時半頃