[戦慄く薄い唇から零れ 溶けゆく吐息は どこか死の馨を纏うようで はらりと黒髪が揺れて、色を喪った頬にかかる。>>289 いっそ艶やかなまでの笑みを見て 村医者は 琥珀の――狼の目を嘲るように細めると、 一喝。] ――ハ! 兵士だかなんだか知らないが ボロボロの癖にほざくじゃあないか。 「巻き込む」? やれるものならやってみろよ小僧。 元気になったあとでな[まるで死に巻き込むぞとでも云わんばかりの言葉にそんな体で何ができると肩を竦めた。]
(308) 2015/05/10(Sun) 19時頃