[それぞれが、それぞれに動いている。
こちらとは絶対に関わろうとしないモンドが、何やら書きつけをこそこそと回しているのを視界の端に収めながら。
自分が口を挟んでも仕方ないのだろう、スージーとモンドの言い争いを聞きながら。ピスティオは、イヴォンが掛けていたソファの隣に腰かけていた。もう彼女はいないけれども、その隣に。]
…。結局、「占い先」の希望はないのかい?
[それは誰にともなく、発せられる。
別に誰も何も言わないならそれでいい、という気分があった。それならそれで、また気持ちのままに決めてしまうだけだ。別に誰かの役に立とうという気もない…けど。
イヴォンの為に嘆いてくれたルパートだとか、結社を一緒に止めてくれようとしたベッキーだとか、懸命に考えているスージーだとか。そんな人たちの為に頑張ってみるのは少しいい。そんな気分もある。
だからと問い掛けた。ないなら、やっぱり構わないけど。]
(308) 2018/08/02(Thu) 01時頃