【人】 和算家 直円

[>>279名を呼ぶ声にちらりと見上げて笑んだ後、ふたたび顔を埋めて唇で食む。ちゅ、と音を立てて離れると、今度はもう片方の胸に。
　濡れた乳首には細い指が添えられる。周囲をそっと触れる程度に撫でて、先端を軽くつついた。
　じわじわと、熱を与える動き。ただただ優しく、ともすれば焦らしているように思えるかもしれない]

　いいですよ。……移動しましょうか。

[抱き寄せる腕に片腕を添わせる。そっと手を引くと、広い寝台に朧を寝かせた。
　そこから先は、ひたすら甘やかす。額から足指の先まで、啄むように唇で食む。
　唾液の跡と鬱血痕を無数に残し、白い素肌を埋めていく。性器には一切触れずに、内腿や臍の下に残した吸血痕に口づける。
　請われるまではずっと、些細な愛撫を重ねて彼の苦しみを奪おうとした*]

(307) fortmorst 2016/06/22(Wed) 08時半頃