162 冷たい校舎村3-1


【人】 逃亡者 メルヤ

 …?うん。お大事にね。

[二度目のお礼を不思議に思いながら、
わたしも彼に向かって笑いかけた。
文化祭の雰囲気から離れたこの場所に居ると、
やっぱりいつもの日常ではないかと錯覚しそうになる。
普段と変わらないように見える、彼の笑顔も。

自分でも気付いていないけれど、彼の怪我を手当したのは、
きっと責任感とかそういうものだった。
勿論彼が心配だった、という気持ちもあるのだけれど。

彼がわたしの向こう側に誰かを見ていた>>295ように、
わたしもまた、彼の向こう側に他のひとを見ていた。]

(306) 2015/06/21(Sun) 22時半頃

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