[シルバーバレットも、ゲイルのお気に召したようだった。
大したものではないとはいえ、気持ちが良いものである。
その後もゆっくりと屋台の合間を歩き回る。
人込みの中に知り合いの顔を見つけたかもしれないが、話しかけられなければこちらから絡むようなことは無かっただろう。
そうこうするうちに、ふと、不穏な気配が漂い始める…
それを、傍らの女性は敏感にとらえたようだった>>295。]
…。
[男の眼にも、その霧は明確に映る。
そして、それは、過去に聞いたことのある光景であった。
ますます伝説が、真に伝説であったのか、疑わしくなってくる。]
…ゲイルさんや。
ちぃっとばかし、疲れてきたかい?
[そう、尋ね。
もしも、行程が返ってくるようであれば、喧騒を少し外れ、丘の上へと案内したかもしれない。
勿論、ゆったりとしたペースの歩みで。]
(304) 2013/09/04(Wed) 23時頃