―廊下―
[少し前を歩くふたり>>288>>290の情報交換は聞き役に留まった。外に出たものの試しはしなかったが、やはり「そういうこと」なのだと何の感慨もなく思ったのみだ。
マーゴにからかわれたこともあり、自分でも何を探しているかもわからぬまま視線を彷徨わせていたら、目が合った。暗闇を見通すような瞳だ。
トニーという少年の双眸は、今は向けられていないペラジーのそれとは違い肺腑を抉らんとするような鋭利さはなかったが、どこかこちらの内側を見詰めているような不思議な光があった。
幼さゆえの純真さとは、また違ったものだろうか。
その視線は、今はずっとサイモンに注がれて(>>291)。
歴戦のハンター。気さくで、面倒見のいい人とマーゴに評された人物である彼にもやはり闇と呼べるものはあるのだろうかと、そんなことを考えながら。
銀の靴が、大ホールの床を踏んだ。]
(304) 2014/11/06(Thu) 21時半頃