― 昇降口 ―
[真っ直ぐに昇降口へと走る。
ホームルームが始まる前に済ませておきたい用事があった。
というのも、3−1の朱美ちゃんから借りていたCDを返す約束をしていたので。
授業が始まったらなんだかんだで忘れそうだし、朝に返しておくのが懸命かなと思った。
……借り物のCDをバッグに入れてあれだけ走り回っていたのは、もし転んでいたら言い訳が聞かないところだったのは、秘密。
転んでないから結果オーライです。
昇降口に向かう途中で、男子とすれ違うことがあっただろうか。]
おはよおはよー!
男子仲良いね!
[ある程度まとまって登校していたらしい彼らの肩をすれ違いざまにぽんぽこ叩きながら、急いで靴を履き替え、中へと急ぐ。
いつもの通り、男女関わりなくシキンシップを取るつもりだけど、今はちょっと時間が無い。
――>>292涼介くんもその中にいたことに気付いた時は、ほんの少し、ほんの少しだけその手に動揺が走ったが、気付かれはしないだろう。]
(304) 2015/07/05(Sun) 22時半頃