─鍼灸医院「ロン」までの道中─
[クリーニング店、ブランシュポムの本来の作業工場はハウリン駅から一つ先の駅を降りた街にあるんだ。
本来この街の店舗には作業場を置かない予定ではあったのだけど、この街の裏通りの状況を察したのがあの駅の店舗の店主。
ある程度の作業場を設ける、小さなクリーニング店としてオープンしたんだ。
売りは確かな職人技術の染み抜きと、店主の性格がにじみ出る、どんな依頼品にもだんまりを決め込むところ。
店主の狙いが当たったのは、セレストがミニバンを走らせる頻度の高さで察してくれるよね。
彼女は慣れたハンドル捌きで裏通りに入り、壁にもたれる浮浪者や物乞いに明け暮れる子供達はいつも通りの光景として障害物にならければいいやという気分で通り過ぎる。
と、その時。
狭い路地でゆるりと車を走らせていたセレストは、いつもと違った光景に気がついて思わず車を寄せてハザードを照らしてみたりしたんだ]
……猫探しかしら?
[ビルとワンルームアパートというグローバルなお隣さんであるその人を見つけ>>286、思わず停めた車の中で彼女は首を傾げた]
(299) 2014/01/19(Sun) 22時頃