……はい。 セイルズさん、こんな時間にどうしたんだい。[昨日あんな顔をさせてしまったのに、こんな早く連絡がもらえるなんて思ってなかった。時間がおかしいことも忘れて、通話口に耳を押し当てたなら。視界の端を過ぎった原稿用紙に、小さく息を詰めた。] ああ、ちょうどよかった。 昨日置いて行った資料に──……[返した方がいいものだろう。そう切り出しかけて、受話器越しの息遣いがいつもと違うことに気づく。]
(297) 2019/07/29(Mon) 22時頃