[店内にまで響く大声>>149に、思わずドアを確認する。
彼女の声量にも負けない声量の持ち主だ。それも若い女の子。
入って来た二人組が示し合わせたように歳の差のある男女だったので、思わずルパートと顔を見合わせた。]
……高校生だね。
あたしの女子高生姿、見たかった?
[普通高校には行かない選択をした。
想いが通じた日、その報告とともに「花嫁修業をする」と両親に宣言した。
幼いころから殊ルパートの傍にいる事だけは何があっても譲らなかった娘がそう言うのは両親も覚悟の上だったようで。
せめて高卒の資格だけはと言われたので通信制の高校に籍を置くことに決めたのが、現状。
スクーリングの際に制服はいらないので、制服姿は中学で卒業である。
それでも少しだけ、「新しい制服姿」を彼に見せたかったから、新規客の少女の「女子高生っぽさ」が眩しくて、つい来店から席に座るまでを見つめてしまった。
目が合ったなら会釈でもしよう、と考えて。
彼女たちもまた、どこか懐かしいと感じてしまうのは何故だろう。]
(296) Ellie 2015/12/21(Mon) 23時頃