─裾野の街─
[やがて立ち寄ったのは一つの街。
裾野の街と呼ばれる場所の存在はせんせいから伝え聞いていたわ。
だからわたしはそろりとあなたの背から降りれば隣に寄り添ったでしょう]
たくさん、人がいるのね……。
[ふたりで歩きながらたどり着いた街。
お祭りをしているのかしら。
みんなが笑っているその場所にくるくると回りながら、溢れる場所に紛れ込むの。
わたし達を見て、みんなは嬉しそうなお顔をしたわ。
どうしてかしら?詳しくは分からないけれど、優しそうな女の人がキャンディをくれたの。
それだけじゃないわ。鳥の羽根を思わせる髪飾りもくれたわ。
わたしの両手では持ちきれなくなって。
リュックにたくさん詰め込みながら、ゆっくりと歩く。
ヴェスパが向かうのは街角のとある場所>>273
くんっ、と鼻を鳴らしたのは香ばしい葉の匂いが何処からか漂ってきたわ]
(296) 2016/10/17(Mon) 20時頃