……どうして?
どうして、
[何度も何度も繰り返してきた言葉をこぼす。
それは、ムパムピスがそばに歩みよるまで続く。>>62
彼の声が聞こえると、ゆっくりと顔を上げてそちらを伺った]
これが試練、だと言うのですか、
[受け入れた場合。受け入れなかった場合。それぞれの言葉を思い出し、唇を引き結んだ。
近くにあるらしい果物の甘い匂いが、場違いに鼻をくすぐる。
何かがぶつかる音。諍いの声にはひそかに眉が寄るけれど、自らは未だ、囚われたように動かない。
ただムパムピスの卑下>>78には、息を詰めて]
ムピス。そんなに、自らを貶めないで。
あなたは、わたくしを……管理、する側なのですから。
“弱者”なんて、とても似合わぬ言葉ですが。
[管理、と告げた直後、ちくりと何かが心を刺した。
それには気づかないふりをしたまま]
(296) 2011/04/17(Sun) 22時半頃