[漸く引き下がることに決めたらしい。>>282
迷うような声音で、念押しのように無理をするなと言われて苦笑する。]
ありがと、任せた。
[言って、階段をあがろうとするその姿を眺める。
続けられた言葉に、ああ、と頷く。
自分とて、いつまでもこんな場所に長居する気はない。早々に場を離れて着替えるつもりだったから、特に異論もなく頷きかけて、]
……──え?
[俺みたいに、なるよ。
聞き間違いかと思うぐらいに小さい声で付け足された声に、思わずその顔を見つめる。
にこりと笑んだ表情は、いつも通り。踵を返して階段を上がる足取りにも、もうふらつきはないように見えた。]
……何が。
[その姿が見えなくなってから、少し苛立たしげに溢す。
意味深なことを言うだけ言って去っていった古屋が、少しばかり恨めしい。
そんな気持ちでいれば、いつの間にか御崎がその場に来ていただろうか**]
(295) 2015/11/04(Wed) 07時頃