―職務室―
[全力で走って、息を切らしながら職務室についたか。
周囲を見渡し、切羽詰ったように、その場にいる者に事情を聞いただろう。]
誰か、サイラスの件について知っている者は!
なんでサイラスがあんな目に合わなければならないんだ。
職員会議ではそんな話一度もでなかった。
誤報だろ…?なあ、そうだと言ってくれよ…!!
[自分は、あれだけ慕ってくれる生徒すら、守ることができないのか。このままではサイラスは学校を出て行ってしまう。
彼にはまだ教えるべきことが沢山ある。
それに、今日ちゃんと話せなかったことも話してやりたくて。信仰心が殆どない自分でも…学生時代に尊敬する神父に出会えて、その人のおかげで今の自分があるのだと。その話をしてやりたかった。
自分と、サイラスは本当に似ているのだと。だから、彼も自分のように。生徒に慕われる神父になれるのだと。
しかし、その場にいた職員は首を振るばかりで。上の決定でもう覆ることはないと。そういう噂をきくだけ。
拳を握りしめ。悔しそうに、自分の拳を机に打ち付けただろうか。]
(295) 2014/06/25(Wed) 00時半頃