人狼議事

154 【R18】さよなら、ばいばい、またあした


【人】 奏者 セシル

―武藤家との関係 そして手首の傷の話―
[確かに彼の手首には、今もなお小さい傷跡が残っている。
それはかつて、武藤に付けられたもの>>187に相違ない。

早瀬の記憶には、誰かがこの傷を付けたという事はなんとなくあるのだが、正直別にどうでもいい記憶の一つである。何にせよ、手は動くのだから。

……ただ。
もはや早瀬は忘れているし、武藤も覚えているかは定かではないが。
目眩がするほどの恐怖は、確かにそこにあったのだ。

 ―――もし、ピアノが弾けなくなったらどうしよう?

漠然としたその恐怖は、その小さな心に深く深く刻み込まれ。
丁寧ながらも快活で教室ではオルガンをよく弾いていた当時の早瀬であったが、その一週間はオルガンに近づきもせず、級友とも一言も口を利かなかった。そういう時期は確かに存在したのだ。
傷さえ治れば彼はまた元の自分を取り戻したようだが、一週間もの間塞ぎこんでいた彼の姿は両親に不安を植え付けるには十分で。

二つの家の間に入った亀裂はもはや意識されることもあまり無いが、このようにして産まれたのだった]*

(295) 2015/03/30(Mon) 18時半頃

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