53 走る肢体


【人】 放蕩者 ホレーショー

―― 空き病室前→副院長室前 ――

ったく、変なカンジだ。――今日は休むかな。

[青年は踵を返し、空き病室の前から立ち去る。人気のない廊下の角を曲がると、向こうから一人の看護師が歩いてくるのが見えた]

(女――いや、男か)

[彼がどこに向かうかよりも、そちらの方が妙に思考に引っかかる。暫く前から蟠っていた活力が捌け口を見出だせぬまま、どろどろと沈殿していくような不可解な苛立ち。急かされるように、青年は副院長室へと歩を進めた]

(293) 2012/07/17(Tue) 22時頃

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