[夜子は真面目で優しい人間だ。乃歌の傷には決して触れようとしない。そんな彼女が、冗談でこんなことを言う筈がない。だから乃歌は、目の前の壁のような扉と一緒にその荒唐無稽な話を信じるしかないのだ。冷たい自分の手をぎゅと握りしめる。]
(293) 2018/08/22(Wed) 23時頃