[そうして誘われるままにベンチに座ると、唐突に奇妙な質問。>>240
あまりにあまりな質問と思ったのか、目を丸くして向き直る。
彼にしては相当間抜けな驚きの表情とともに3秒絶句して。咳払いをコホンと一つ。]
………………………………………………………………………………え、いや……麻倉……それ本気で聞いてる?
[と問うたあと、軽くため息を付いて表情を崩して。]
……中学の頃にラブレターを幾つか貰った覚えはあるけど……全部断ったよ。そもそも音楽馬鹿の僕と付きあおうなんていう子、居るわけ無いだろ?恐らく罰ゲームか何かだったんじゃないかな。
[あっけらかんとそう言い流す。
そう、彼は全く自覚がないのである。
整った顔立ちに柔らかな物腰、何となく高貴な雰囲気にピアニストの血筋、本人も同年代で言えばトップクラスのピアノ奏者であるという事実。それらに惹かれる女性が決して少なくないことなど、思いもしないのだった]
(293) 2015/03/30(Mon) 18時半頃