風邪? 引くわけないじゃん。
俺ばかだもん。
「毛布の矛先をサミュエルに変えながら、不自然なほど此方に向けられるヴェラの視線と気遣いに応えたのを思い出す。
ジャニスと一応普通に会話を交わせたことで軽くなった頭は、漸く周りのことを考える余裕ができていた。
例えば、ススムとイアンが共に並んでいるのを見かけるがいつ仲良くなったんだろうとか。
サミュエルとヴェラも、ちょくちょく二人でいる割りにどうにもお互いよそよそしいな、とか。]
――…まあ、いっかあ。
[何故、なんて理由は本人に訊かない限り解らない。
こんな所でジェームスが茶葉から紅茶を淹れているのが、ミロが照らすライト越しに見えれば本格的だなあと感心はするけれど。先ほど頑なに視線が合って居なかった二人。仕事の話をしているのかもと、あえて近づくことはなく。]
(292) 2015/11/15(Sun) 22時頃