―Xday-2day・P.M.8:00頃・ハルヒラシティ内レストラン―
[何やら落ち着かない様子のシーシャ>>268を余所に、晶は溢れそうな感情を押し留めるようと膝の上で揃えた両手をキツく握りしめた。
桜色のジェルネイルが掌へと食い込んで痛い。
インターフェースを起動している様子の彼を見詰めながら、言い訳を考える――けれど、何時もスラスラと口から流れ出してくれる嘘が今この時には一つも思いつかない]
……一緒だから困るんじゃんか。
アタシは幸せとかいらない。
どうせなくなるのになんでそんなの欲しがるの!?
単純で馬鹿で幸せな脳みそしてて…そんなだから…――ッ!!!
[最初の一言は聞こえないようにと口の中で。
けれど後はもう我慢が出来なかった。
間違っていたんだ、最初から――こんな方法で何を埋める事が出来るっていうんだ。
それでも『だから僕みたいな奴に騙されるんだ』と、それだけは力尽くで飲み下して晶は乱暴に席を立ち、そのまま残像を残してリアルへと離脱した。
後に残されたのは、チェックのリボンの付いたくまのぬいぐるみのみ――]
(290) 2014/03/13(Thu) 23時頃