[途端、目の前に広がった光景に、息を飲む。
亀吉が、獣に組み敷かれている。
途端にフラッシュバックしたのは、あの時の光景だった。>>0:579>>0:585
あの時も、扉を開けたらあられもない光景が広がっていた。
しかし、その時隣にいたのは影流ではなく、たった今目の前で組み敷かれている亀吉で……
口元を手で覆って、しゃがみこんだ。吐き気を堪えるのに必死だった。
吐き気に伴って涙が滲み赤くなった目で、獣を睨む]
お前、……
[獣姿を見るのは初めてで、それがへクターだとは気付けない。
しかし、見覚えのある口枷を見て、はたと気付く]
へクター、さん ……?
[その目に宿る獰猛な光。ただ魔力にあてられて、欲望の際限がなくなっているというだけでは、なく。
本気で相手を……亀吉を、屠ろうとしている。そんな、野獣の瞳だった*]
(289) 2016/06/11(Sat) 03時頃