眼、閉じてろ。いいモンじゃねぇから。[一言、彼女を紺の眼で見つめて呟いて。まだ残っている左手が握る剣を、自らの身体に突き刺した。ドク、ドク、ドク。鼓動に合わせて血が噴き出す。それもすぐに勢いはなくしてしまうけど。流れた血は剣を伝わって彼女の傷口へ。唾液よりずっと治癒力の強いヤニクの血で、かろうじて立てる程度にはひとまず腱は癒えることだろう。一方で身体のかなりの部分を燃やされて血を流したヤニクの身体は、そろそろ限界が近かった。**]
(288) 2013/06/28(Fri) 02時頃