[そのまま通信機をオンのまま握り続けて、音だけでも届けようと粘った。自分は、もう戦力にならないどころか邪魔になる要素しかない。できるのは、現状を伝えることだと判断した。]
てんてき、……ッ、取られた。
かめよ、……っさん、はなれて、おれ、おかしく……ッう、
[怒りが身体を満たしているのだろう、亀吉が戦闘に集中している様は、逆に安心できる。情欲にかられて襲う余地もない程だ。>>282
だが、その怒りが収まった時に、自分が傍に居るのはまずい。
這いずるように部屋の隅へと移動する。ぶちまけられた白濁が床に筋を作るが、気にしてもいられない。
荒い息の中で腹部を見れば、二重のハートを取り囲むように蔦の紋章が生まれていた。それを見てまた胸が重くなり、目を閉じる。
進行が、止まらない。この身体をどうすればいい。]
……たのむ。おわったら……
部屋、ふさ、で……くれ。
[荒い息、掠れた声は、通信機にも届いただろうか。*]
(286) 2016/06/12(Sun) 22時半頃