…………お前を殺、して、「ヘクター」を、ぐうぁ゛っ、取り、戻す……!
[ 結論から言えば奪わせないためにできることはなかった。ただ、痛みに耐え、快感から目をそらすことしかできない。今は。
再び覆い被さられると、体が強張る。いくら強がっても、大型の悪意ある獣に生存本能が恐怖を訴えてくる。
人間とは異なるそれを押しつけられたとき、一瞬理解できなかった。しかし、その熱さと堅さと状況に頭がすぐに理解する。
己のものも熱を移されたように勃ち上がっていく。]
「ヘクター」、お前とは、こんなことっ……は、したくないっ…………!
ふっ、はあっ、お前とまで、ああなりたくない……やめろ、…ぁッ………やめて、くれ………………
[ 目の前のヘクターに言っても無駄なのに、冷静さを失って懇願にも似たような言葉を発した。前半の内容は、貞次を発見後面会した際に言ったものと同じだった。
後孔に爪が触れると、体が硬直した。]
(285) 2016/06/11(Sat) 02時半頃