[丁度筆を握った頃、11本のボルトを口の中に入れた一匹の少し小さくなった鯉が…の元へと戻ってくる]
やられちゃった、かな。
ごめんね黒姫、痛い思いさせて。もう少し、付き合ってくれる?
[彼女が吐き出したボルトがアスファルトに散らばる。
唯一戻ってきた鯉の腹を撫でれば、もしかしたら氷の槍の凶刃を浴びた冷気を感じたかもしれない]
ほんと、針山先生強いなぁ。
[躊躇いを滲ませた声で呟けば、鯉の顔がつんと…の頬を撫でた]
やってくれるんだ。ありがとう。
[笑い、自分を慰めてくれる様な相棒に笑い。
そうて少し泣きそうになって、筆でその身体に書き加えた。
ちょうどその頃、璃子に向かった一匹の龍はその爪で一撃くらいは浴びせられていたかもしれない。もちろん、寸でかわせる程度の威嚇攻撃だ。
そしてもう一匹は、消されているだろうか]
(282) hisetu 2013/08/29(Thu) 00時頃