[麻倉が、教室の続きのように。どこか抑揚もなく聞こえる、そんな声で。激昂するというよりは、静かに、静かに。感情をぶつけてくる。>>263
どうでもいいように見えてるのなら、そうなんだろう。
なんでも関係ないって思われるなら、そんな顔を見せてるんだろう。
だけど、ちーちゃんのことが。
どうでもいいなんて思われてるのは聞き捨てがならなかった。
加賀宮は俺の心配をして、麻倉が教室を出て行ったあとに取り乱して。
そんなの放っといて行けるわけがない。
だって麻倉には吾妻と蒼真が着いて行ったんだ。
鷹谷だって怯えていた。彼がひとりになってしまうかもしれなかった。
そんな、きっと彼には言い訳にしか聞こえないような理由が、頭の中へ浮かんでは消える。口にしないまま、どう言ったらいいものか考えた。
それで、遂に。彼の声が。
―――キライ、って。言ったんだ。
教室から出て行く足音は耳に届いたけれど、其方を見る余裕もなく。>>271
もちろんのこと、結局教室内に残してきてしまった、加賀宮の想いも>>253、鷹谷の状態も、知らないままで。]
(282) 2015/04/03(Fri) 22時半頃