―校庭へ―
[一人だった行きとは違う、戻り道
チャリを押す優の横に、並んで歩く]
おーい、バケツ連れてきた!
[そういって優が来たことを報告。バケツ呼ばわりされた優の反応はそこそこに。
ベンチに戻るとまず、置きっぱなしだった鞄をひょいと掴んで、空けた場所にどさっと座った]
日が落ちると少しは涼しいけど
やっぱ喉は渇くなぁ
[こんな時こそジュースの出番だ。
晶からもらったジュースは、既にひと肌くらいにぬるまっている。冷たい方が美味しかっただろう。
朝のうちに渡せた水>>270はきっと、まだ冷たかった。
ヒナの指先が触れた温度と差があったから。
夏バテならなおさら。ちゃんと水分取って休んでおけよと多分上手く笑ってその場を去れていた筈。動揺を隠すのに精いっぱいで、テルテル坊主がプールに落ちた事件は知らず。ゴールまであとわずかの葵に対する賞賛がかろうじて届いていたくらい]
(281) 2016/08/22(Mon) 12時半頃