ー 医務室 ー
[キルロイの薬を手に、乱れる息を整える合間。
>>275名を呼ぶ声に振り向くと、五月雨の姿があった。
対魔忍の異能の発現に際しての人体や脳の運動について、或いは通常人と身体の構造そのものが異なる半魔についての各種検査や実験について、対魔忍でありながら医療の心得のある彼の見地は、常々参考にさせてもらうことも多い。
キルロイを除けば、比較的話す機会の多い対魔忍だったが、今回の事件で言葉を交わす機会は特に多くなった。]
…………五月雨。
[気安く言葉を交わすまでに至った間柄。
だからこそ油断をした、ように見せる。
名を呼び、>>276向けられる言葉に、欲情に潤んだ目を向け、熱の籠った息を吐く。五月雨の声が途切れ、首肯する間際、がくん、と膝から力が抜けて床にへたり込む。]
…………ふ、ぅ、
[素直に辛いとは言えない、素振り。
デスクの淵に手をかけて立ち上がろうとするも、足は言うことを聞かない。]
(279) 2016/06/08(Wed) 17時半頃