作ってって、これ、ルーカスが作ったの?
[ルーカス>>277に椅子を譲れば、自身はベッドへ腰かける。
向かい合うような形になり、バスケットの中に用意されたサンドウィッチを見て首を傾げた。
汗で少し湿った金糸が首筋を擽る。]
ありがとう。助かるよ。
まったく昨日から、至れり尽くせりな日々だ。
[ヴェスパタインに林檎を剥いてもらったり、チアキに勉強を教えてもらったり、ノックスにノートを写させてもらったり、ホレーショーに我が儘を聞いてもらったり。
指折り数えるだけでも随分と誰かの力を借りた気がする。
紅茶を水出ししている間に、神に祈りを捧げ、サンドウィッチを手に取る。
レタスのしゃきしゃきした歯ごたえと燻製されたハムの旨味がバケットに挟まれて、それに齧り付けばぱりっと香ばしい音が鳴った。]
あぁ、久々にまともな食事を摂った気が……いや、うん。
[思わず本音が漏れそうになり、語尾を濁す。
誤魔化すように、バスケットをルーカスへと差し出し、彼にも食事を勧めた。]
(278) 2014/06/23(Mon) 01時頃