[ そう言って彼が懐から取り出したのは、濃紺の生地に、紅い糸で驢馬の刺繍を施された、拳大の徽章である。
『怠惰』に対応する驢馬、其れが紅色で描かれているーー此れは、端的に云うならばオスカーの紋章だ
例えば、自分は『怠惰』のオスカーであると証明する必要が生まれたとする、一番手っ取り早いのは実際に『怠惰』を実行する事だが、相手によってはそうすると話が拗れるパターンもあり得るのだ。とても怠い話である、少なくとも彼にとっては。]
さて、其れではワタシは引き上げるとしようか、キミが辞書を探してくれている間に、体力も幾分か回復したからね、此処から寮への路は酷く怠いが……未来への投資だと思って割り切るとしよう、そうしよう、代用案を立てるのも怠い
[ それに、と何処からか取り出した麻縄でガルディア語辞書を肩に背負えるよう結んでいたオスカーは視線を>>258へそらし。]
あまり、キミの知り合いを待たせても悪いだろう?
(274) 2014/07/09(Wed) 16時頃