俺ももう大丈夫だ。お互い災難だったな。
ディーン達も、注射の後はしばらく座った方がいいんじゃないか?
[首をかしげて提案を。明之進に名刺を渡されれば、両手で受け取りばたばたと財布を探った。]
……フズィ、ナミ? ……すまない、発音が難しくて。
[うまく発音できないことを謝罪して、探り当てた自分の名刺を渡す。そこにはそれなりに有名な大学の名前と、あまりセンスの良くないボランティアサークル名。青い海の写真を背景にチームリーダーとしてドナルドの名前が書かれている。]
こちらこそ、よろしく。
[奥の部屋に向かう明之進を見送る。ふわりと漂った紅茶の香りに気づいた。]
あ、お茶もらえるなら貰ってくる。
[人数分もらおうかと考えて、カウンターのほうに歩み寄る。隅にまた座っている人を見つけて、だいぶ大所帯だな、と名前を指折り数えた。]
このお茶は、ここで注文できるのかい?
[オレンジの香りをすすっている青年に、ごく普通に問いかけた。]
(272) 2011/06/14(Tue) 23時半頃