―防音室→大浴場―
あ…っ、ごめん!
[言ってしまった後で気がついた、恐らく彼の背中にはラルフによってつけられた傷痕があることを。
申し訳ないのと、情けないので視線を床に落としてしまう。怒ってるだろうか? 気分を悪くしてしまっただろうか?
「……君は、これと知り合いなのか。オスカー」
>>84昨晩、大広間で問いかけられた時のことを思い出す。"これ"だなんて、まるで物か何かのような言い方だった。
そうだと言えばフィリップが物みたいだと肯定するようで、でも知らないとは言えなくて。
逃がすような事はしていなくても、こうして自分を捜し、気遣ってくれていた。
あの時はちゃんと答えられなかったけど、今ならちゃんと答えられる。]
あのねフィル…、さっきはありがとう――。
[なんてことはない。
たとえ吸血種になっても、フィリップはやっぱりフィリップだった。**]
(271) 2014/01/30(Thu) 21時頃